この環境や経験を生かした提案ができることはとても強みになっている。

IT企業 テレワーカー

重谷 拓実さん

Takumi Shigetani

埼玉県から移住

新卒で東京のIT企業に就職。コロナ禍でテレワークが定着したタイミングで長年暮らした埼玉県を離れ、祖父母の家がある宇部市へ。現在は月に1〜2回出社する以外は宇部でテレワーカーとして生活。祖父母と妻との4人暮らし。

「就活中に祖父母から宇部に住まないかと提案があったのですが、当時は宇部でどんな仕事があるのか全くイメージがわきませんでした。いつかは宇部に移住するつもりでしたが、それは老後くらいの気持ちだったので、まさかこんなに早く移住するとは思いませんでした。でも今では、あのタイミングで決断してよかったなと思います」

実際に生活されてみていかがですか?

「宇部は時間の流れがゆっくりで、まちに余白が多いなと感じます。人に出会うと挨拶もするし、そこに存在する人がとても大切で尊いものに感じられるようになりました。東京は人が多すぎて、人を人として認識せず景色の一部として見ていたことに気がつきました」

人とのコミュニケーションはお好きですか?

「コミュニケーションは好きですが、あまり人数が多いのは得意ではなく。たまに宇部市の移住者交流会に参加しますが、程よい距離感を保ちながら運営されているのですよね。先日もマテ貝採りに参加したのですが、会話もコミュニケーションも強要されることなく、ただ一緒にその時間を楽しむ。そんなちょうど良い距離感が毎回とても心地良いです」

気軽に参加できそうな交流会ですね。ご自宅での暮らしは何か変化がありましたか?

「料理をするようになりましたね。仕事内容が新規事業開発ということもあり研究体質。試行錯誤するのが好きなので、新しい食材をどうやって調理したら美味しくかつ祖父母に受け入れられるかなど、考えながら料理しているうちにどんどん楽しくなってきました」

余暇の過ごし方はいかがですか?

「知人の誘いで防府市のビーチサッカーチームに所属しています。幼稚園から大学まではサッカー、社会人になってからはフットサルをしていましたが、ビーチサッカーは初めてで、その面白さにはまっています。埼玉には海がなかったのでとても新鮮ですね」

充実したプライベートをお過ごしですね。

「そうですね。仕事面では、地方にいることを強みとした企画が提案できるようになりました。例えば、田舎の社会課題を元にした企画を提案する場合、都会に24時間いながらネットで情報収集してイメージした案と、現場に住んで地域の人の話やリアルな言葉を聞いて企画した案とでは、解像度も説得力も違います。今の環境や経験を生かした提案ができることはとても強みになっています」

最後に移住を検討されている方へメッセージを!

「都会の便利な生活に慣れている人がのどかな田舎暮らしに憧れて移住しても、田舎の生活にすぐ適応できるかというと難しいと思います。その点、宇部は山や海もありつつ街中は便利。田舎と街のバランスが良く、暮らし始めやすいと思います。宇部だけに限らず、都会から地方に移住する時に大事にしないといけないのは地元の方への敬意。移住者と移住者を受け入れる側との良好な関係があってこそ、まちの課題がクリアされるのではないかと思います。みんなでより良いまちにしていくという共通の目的をお互いが忘れないようにしないといけない。私自身も常に意識して大切にしています」